機械式カメラ、写真機といった趣きの古式カメラのイメージに「歯車」や「ネジ」が浮かぶのは私だけでしょうか。

実際に、
Aが動くことでBが動き、さらにその動きがC以降へ伝わっていく事で機構全体へそのリンクの輪を広げていくわけです。電子式カメラでは素子間やチップ内、又は配線を介し
一瞬にして多くの機能が動作します。

その意味で、機械式カメラは始めの一歩の意味合いが大きいのです。
始めの一歩がスムーズに動くかどうか、動き幅が正常かどうか、
この意味こそが機械式カメラには大きいのです。

        

      1) しばらく(1ヶ月程度)使用しない状態から使う場合、いきなりフィルムを通さ
      ず空シャッター(シャッターボタンをカチャかちゃと切ってあげるだけでも効果
      有りをせめて2桁程度は切ってあげてください。

   ゼンマイを巻かない状態でシャッターボタンを指で押さえ、離すのではなく押さえた
   指を滑らすことで指が外れると勢い良くボタンが飛び上がります。
   これを数度繰り返すだ けでも調子が戻ることが多々あります。

   
     2) 同様のことですが、フィルムが残ったまましばらく時間が経過した場合、撮り始め
     のカットは捨てるつもり
で、出来れば同じカットを2,3枚押さえて下さい。
     これはシャッターや絞りの動きが渋く、最初の1カットは開ききらない場合がある為です。


   3) 絞り選択ダイアルで、A(オート)マーク時と数字が表記されるマニュアル時とでは
     シャッタースピードが異なります。つまり、絞りとシャッタースピードのリンクを
     つかさどるダイアルです。これもゆっくりと、何度もまわしてあげて下さい。
     万一どこか違和感 があれば無理をしない事。力技は禁物です。
 
    4) ゼンマイも時には軽く巻いてあげて下さい。裏ブタをあけて、中央の四角い光の窓
     アパーチャ下に覗くスプロケットを左方向へ回り止めまでセットしてゼンマイを巻く。
     後はシャッターボタンを押すだけです。いきなり最後まで全部巻き上げるのではなく
     ゆっくりと、何回かに別けて最後近くまで巻いてあげましょう。
     可動可能な場所は全て動かしてやる事が大切です。
     でも、新しいモノではありません。無理をしないように少しづつ行いましょう。
     順に巻上げの回数を増やす気持ちで最後まで動かしていって下さい。
     そして巻き止め付近は特に気をつけて、少しでも違和感があったり、急に重くなったら 
     今回はそこで終わりにしましよう。別のオートハーフはあと2回も多く巻けたのに、
     などと回数を数えたりしないで下さい。
     子供も成長すれば太った人も痩せていく人もいます。
     数
10年を経た機械です。過ごして来た個体差だと思って無理をしない事が寛容です。 
     5) レンズの下へセレンが格納され、光の強弱で発生した電流でメータの動きを制御し
     ます。
レンズを蛍光灯や太陽にかざしたり、影へ向けたりすることでメーターが作
     動します。光の強弱を繰り返し、メーターに伝えて動かしてあげて下さい。

 

 どれも取りたてて言うほどの事ではありませんが、こんな簡単な事で機械カメラの調子をあげる事が可能です。居眠りする子を起こしてあげるような気持ちでしょうか。
そして最も大事なのは触ってあげる、使ってあげる事です。腫れ物に触るように神経質になる必要はありません、普通に使ってあげてください。

 機械は動き続ける事でその調子を維持していけるのですから。

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オートハーフの最も簡単なメンテナンス

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